テンセントのエンタメプラットフォームの成長戦略:市場独占とIPO

昨日書いたテンセントのIP戦略についての記事が私のブログとしては、今までにない沢山の方に読んで頂いてまして、テンセントさんへの注目度の高さを改めて感じました。

Facebookのシェアが300超えていて日本におけるFacebookの主なユーザーであるビジネスパーソンの方に興味をもって頂けたことがよくわかりました。

 

そこで、せっかくなのでこのままテンセントさんのエンタメ方面の事業研究を深めていきたいと思います。

最初にテンセント ミュージック。

最初にテンセント ミュージック。音楽アプリ市場の75%がすでにテンセントミュージック系列アプリ。

 

f:id:shinsuke0723:20180415170910p:plain

 

thebridge.jp

詳しい記事はこちらでしゅ。 

圧倒的ですね。ちなみにテンセントは自前のアプリであるQQミュージックだけでここまでの市場を獲得したわけではなく、「KUGOU」などの音楽アプリの運営会社であるCMCとの合併してテンセントからスピンアウトしたTencent Music Entertainmentの設立がとても大きな効果があったようです。

テンセントミュージックは世界の3大レーベル全てと提携契約を結んでおりコンテンツ供給体制は盤石です。CMCはローカルのレーベルも抱えていたのでローカルのコンテンツ抑えることが出来たみたいです。

今年はIPOを計画しており、先日のSPOTIFYとの株式交換では約1.3兆円の企業価値がつけられていたとのこと。

ちなみに時価総額1.3兆円で、東証一部に上場しているインターネット企業だと楽天さんがだいたい同じぐらいです。(楽天東証一部に上場しているインターネット企業では時価総額第3位)

techcrunch.com

 

まとめると、プラットフォームの成長はこんな風に理解できると思います。

 

①自前のAPPであるQQ音楽と有力な音楽アプリを抱えるCMCの合併で圧倒的なユーザーベースを構築

②3大レーベル+CMC配下のローカルレーベル+SPOTIFYと提携し圧倒的なコンテンツの充実化

IPOにより資金調達をして更なる成長へ投資する

(テンセントミュージックは単体で1.3兆円以上のバリュー、1000億円以上調達の見通し)

④自前の音楽レーベルへの集中投資(筆者の予想です)

 

f:id:shinsuke0723:20180416174959p:plain

 

 

 

実はこのプロセスこそがテンセントのPF拡大における一つの基本的な考え方なのではないか?という仮説をもち始めています。

詳細はまた次回のブログでまとめますが、電子書籍市場でも傘下の閲文集団で圧倒的なユーザーベースを築き、IPOによる資金調達、電子書籍プラットフォームでオリジナル作品の販売(1000万作品以上の登録作家によるオリジナル作品!)と、自前のコンテンツ開発へ力を入れています。

テンセントの主力事業であるゲーム事業では似たような経緯で成長しており、以前は提携で獲得したコンテンツ(NEXONのDNFなど)が売上の主力で、次に出資後に買収した会社のコンテンツであるLeague of Legendが売上の主力。今のモバイルゲームの売上の主力であるArena of Valor(中国語名:王者荣耀)は自社の成都にあるスタジオで開発したオリジナル作品です。

 

この理論で考えを進めていくと、Tencent VideoやTencent AnimeなどもスピンアウトしてのIPOも検討されているかもしれませんね。

それもまた別の機会で検討してみたいと思います。