三国志が導く日中コンテンツ新時代

コーエーテクモ社の三国志というゲームシリーズがあります。

筆者は中学2年生の時、スーパーファミコン三国志4がどうしてもやりたくて、どうしてもやりたくてお母さんに頼み込んで14000円という中学生には超大金でゲームを買ってもらった記憶があります。

買った帰り道は早くやりたいのと、こんなに大金を親に使わせてしまったという後ろめたさで心がギュッとしていたのを今でも覚えています。ゲームは死ぬほど面白かったです。

さて、そんな三国志シリーズが時を超えて筆者が生業としているモバイルゲームで日本と中国の新しい時代の先駆けとなりました。

 

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今回は三国志シリーズのIP(知的財産権)をコーエーテクモ社が中国のゲーム開発会社である社に授権した所からお話は始まります。

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日本のゲームやアニメのIPを使って中国でモバイルゲーム開発というのは昨今沢山行われているビジネスの一つです。本文にもありますが、日本側で世界観とビジュアル的な部分のクオリティチェックをして、ゲームシステムは中国側で考案するというパターンが多いようです。

ただ、ほとんどのケースで配信先を中国と台湾を想定しており日本市場は入ってないケースが多いです。もともとIPが日本のものなので、お膝元ということもあり日本がすでに同一IPでゲームを配信しているとか色んな事情でそうなっていると思います。

 

今回新しいなと特に感じたのは、日本での配信を中国の会社が担当しているところです。

中国の会社が自社IPを日本市場に配信して人気があるゲームは結構ある(荒野行動とか)んですが、中国のパブリッシャーが日本IPのゲームを日本で代理配信(開発会社と配信会社は違う会社)するっていうのはあんまり聞いたことがない例です。

あとキングオブファイターズのモバイル版も中国開発で日本で大ヒットしてますが、これは開発会社が自社でそのまま配信しているので今回のケースとは異なります。

 

今回のケースは、歴史をひも解くと、三国志なので、中国の歴史に基づいたPCゲームを日本の会社が作り、そのIP(知的財産権)に基づき、中国の会社(成都にある会社)がゲームを開発し、別の中国の会社(北京にある会社)が代理権を獲得し、日本市場で配信し大ヒットという構図です。

 

日本市場向けの代理権が取引されているというのはとても重要な事実です。

これが指し示すことは、「中国のモバイルゲーム会社が日本市場を本気で狙っている」という事実です。

2017年までは中国国内のモバイルゲーム市場の成長が凄かったので、一部を除きほとんどの大手の中国のモバイルゲーム会社は日本市場に興味がありませんでした。しかし、これからは中国国内のモバイルゲーム規制の影響もあり、どの会社も本気で日本市場を取りにくることでしょう。

 

今回、その動きの先駆けとなった新三国志、筆者も毎日プレイしてますが、めちゃくちゃ面白いです。中国のRPGによくあるDota式のキャラクター育成システム+カードゲーム要素+シミュレーションゲームを足すという超絶テンコ盛りゲームで、これは開発するの前提としてプログラマーがすごい大人数必要だなと感じました。これは日本勢としても取り組み方って考えないといけないなって思います。

 

おまけですが、コーエーテクモさん、中国でめちゃくちゃ難しいといわれる版権訴訟で勝利されてるんですね。

さすが三国志のゲームをつくっている会社さんだけあって中国戦略は抜群のように思います。

 

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